ついに、イチローが。

イチローの偉業は数あれど、今年で35歳になる私が、バリバリの小学生であったころから第一線で活躍し続けていたことということが、一番すごいことだと思う。活躍していた、ではない。活躍し続けていた、である。成績はおろか、ケガをしない、メンタルを切らさないことを、20年以上に渡って続けていた。誰だって、短期間ならピークは訪れる。でもそれを3年、5年、10年、20年と続けることの偉大さは、大人にしかわからない。

もうこんな選手は出てこないだろう。と思ったら、大谷が出てきた。でも、青春時代からずっと活躍を目にしてきたスーパースターと、大人になってから出てきた年下のスーパースターでは、思い出の濃密さが違う。

私はイチローが好きだった。彼のすべてに、スタイルというものが感じられたからだ。10歳の私は、彼の振り子打法にそれを感じていたし、17歳の私は、大男たちを圧倒する疾さや巧さに、21歳の私は、数十年前の記録を超えるその姿に、26歳の私は、日本を優勝に導く集中力に、30歳を超えてからは、限られた出番の中でも平然とベストを尽くす姿に

スタイルを感じていた。

松井秀喜もそうだが、スマップ、安室奈美恵といった子どものころのスーパースターが、引退という節目を迎えることが多くなってきた。考えてみれば、イチローが世に出てから、今年で24年目なのだ。私もそれなりに年をとった。イチローを少しでも見習って、ベストを尽くすための日々の準備を心がけたい。