【Vol195】赴任直後の注意点

私は協力隊員が集まって何かするということが苦手な方なので、これまで後輩隊員に対しても、特に接する機会がなかった。ただ、最後の最後になって、赴任直後の隊員と話す機会があった。

「この時期に、気を付けることってありますか?」

後輩に尋ねられた。少し考えて、こう答えた。

「赴任直後は、自分が思っているよりも疲れている。体も心も伸びきっている状態だから、難しく考えず、好きなことをしたほうがいいよ」

私は、赴任から3カ月くらいが、人生で1,2を争うくらいにきつい日々だった。何しろ、村の生活に馴染めない。かつ、ベトナム語ができない。都会隊員で英語が通じる環境ならどれだけいいだろうと、悩んだ日々もあった。

ただ、それは変えられない事実。今思えば、自分でできるアプローチ、物事の捉え方や反応の仕方を工夫すればよかったと思う。

私は2014年6月末をもって、7年間勤めた会社を退職した。7/10から70日間、JICAが用意した訓練があり、1日10時間以上、200人近い同期隊員と共同生活をしながら、ベトナム語漬けの日々を過ごした。楽しかったが、当然、疲れは溜まる。訓練終了後に実家に帰ってきて、10日するかしないかで、今度はハノイに旅立つ。ハノイでは1週間のオリエンテーションと、5週間の現地語学訓練がある。ベトナムにはドミトリーがないこともあり、ホテルを変えながらの訓練だ。11月になると、ようやく任地に配属となる。数か月の間に引っ越しを何度も繰り返し、人間関係も目まぐるしく変わる。そのたびに、自分が注目され、試されている気分になる。

また、調整員(JICA職員)によっては、ベトナム語へ対してのプレッシャーを強くかけてくる人もいる。現地語学訓練ではさすがに疲れが溜まっていたので、いったんレベルを下げて、初級クラスに入りたいと申し出たこともあった。

しかし

「訓練所で200時間も勉強しているのだから、あなたはすでに中級レベルのはずです」

「26-1の(先輩)隊員は、もっと優秀でした」

となどと言われ、なかなか初級クラスへの変更は許可されなかった。しかもその調整員は一切、ベトナム語を解さないのだ。今になって思えば、何年もベトナムに住み、JICAで仕事をしながら、一切ベトナム語を解さない、勉強する気すら見せない調整員の言うことなど、無視すればよかった。

目まぐるしく変わる人間関係。そして、協力隊員上がりの人間に限って、現役の隊員に対して厳しいことを言いがちだ。赴任直後の隊員は語学も仕事もできないから、その厳しさに全力で応えようとがんばり、悩む。適当なストレスは成長のために必要だが、数か月にわたってストレスをかけてきた心と体は、悲鳴を上げる。赴任直後とは、そういう時期だ。

「そのうちに慣れてくるから、赴任直後は好きなことをすればいい。メチャメチャ疲れてるんだから、休むのも仕事だよ」

それが私の結論だ。

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