【Vol4】生茶クッキー支援①

さて、私が活動している場所は、ドンラム村。そして私の職種は、コミュニティ開発。コミュニティ開発とは、地域のためになることだったら何でもしていい、かなり自由度の高い職種です。ただ、その自由が、かえって最初は大変でした。何しろ、配属先からは、何も仕事の指令がない。「村の中でできることを探せ」というのが仕事でした。とはいっても、ベトナム語もろくにできない。配属先や村人に英語は一切通用しない。少しでもヒントを探そうと、日本人向けに村のガイドを買ってでると、JICA職員から「活動に支障がないように!」とお達しが来る。

でも、活動って何だ??そんなモヤモヤの中、思考錯誤しながら見つけ出したのが、生茶クッキー茶

地元で取れる緑茶葉をベースに、クッキーにしました。とはいえ、私にはクッキー作りの経験がありません。私の前任者のハルカさんが、クオリティの高い商品に仕立てあげたのです。しかし、生産者の女性たちには、商品を「売る」ノウハウがありませんでした。売上は月にわずか10個足らずといいます。これでは宝の持ち腐れ。一口食べてみて、おいしい

と感ると同時に、頭の中をフル回転させました。この商品、現金化するためには、どうしたらいいだろう?

私が思いついたのは、ハノイの小売店に卸すことでした。そもそも、このクッキーは、日本人のパシティエが監修していることもあり、日本人向けの味になっていました。ベトナム人にとっては、どうやらイマイチな味な様子。となると、日本人がターゲットになります。ではどうやって日本人に売る?私の結論は、ハノイの小売店に卸すことでした。

アジサイ

日本人は、包装やちょっとしたシールだったりにこだわりを持ちます。一方、ベトナム人は、おいしければいいだろ方式で、細かいところにはこだわりません。接客マナーもしかり。村の路上売店で、ボラれる恐怖や衛生面の不安を乗り越えて、日本人が買うとは思えません。ならば「売る」ことはプロに任せ、生産だけ村で行おう。そう考えました。流通は、とりあえず私が人力で運び、その後は生産者に引き継ぐことにしました。

障害はいろいろありました。売れるかどうかは小売店やお客さん次第なのですが、わざわざハノイまで行って売ることを、配属先や、それを伝え聞いたJICA職員は嫌がりました。

「どうしてハノイで売るの?村で売ればいいじゃない?」

何度も言われました。でも、私には、接客や衛生マナーを教えることには無理がある、販売は販売のプロに任せるべき、という確信がありました。

結果はさっそく出ました。

以下次号