【vol21】地酒の容器を探せ!
地酒。僕はお酒にあまり強いほうではないけれど、その響きは、何となく耳に心地よい。
ドンラム村にも、地酒がある。
こんな感じの樽に入っている。
味はいい。かなり酒にうるさい人でもまとめ買いしていくほどだ。
ただ残念ながら、小売用の容器が、ミネラルウォーターのペットボトル。
こんな感じ。ラベルは同任地の隊員(すでに帰国)が作成した。
日本人に紹介するたびに、「容器が残念だね~」と言われてしまう。
そこで、「すでにある素材を活かす」活動方針のもと、容器の改善を試みた。
向かった先はソンタイ。ドンラム村から5キロほど離れた、ちょっとした街だ。
配属先もここにある。ここの市場で、容器を探した。
しかし、ほとんど候補となるものがない。
・軽い
・丈夫
・安い
・注ぎやすい
といった、「よい容器」となるものが見当たらず、帯に短し、たすきに長し、というものばかりだ。
焼き物。雰囲気はあるのだが、かさばる上、割れるのが怖い。
とまあ、ここまではある意味、予想通り。そう簡単に見つかるわけもない。
ちょっと残念だったのは、一緒についてきてもらった同僚の態度だ。
何か候補を探すたび、ダメな理由をたくさん挙げる。
もちろんダメな理由は、私にもわかっている。
でもその中で、工夫して、何か手段がないか考える姿勢がないことが、残念だった。
ついには「もう無理だよ。あきらめよう」と言う。
できない=あきらめる。その図式に納得できなくて「できないじゃない、やるんだよ!」とブラック企業の経営者みたいなセリフを言ってしまった。
結局は、また私1人でハノイまで行って探すことになると思う。いろいろやり方はあるし、たぶん形にはなるだろう。
それでも、私の希望としては、配属先と協力して、お互いに知恵を出し合って村を良くしていきたいのだが・・。
まるで起業しているみたいに、自分次第で仕事がうまく行ったり、行かなかったりする。同僚はなかなかそこに絡んでこない。
同僚は、人として優しかったり、いい人は多いのだが・・。
発展途上国の行政機関にボランティアに行くということは、職員にやる気はあってもお金や技術、アイディアがないというケースを想像されるかもしれない。
でも、ドンラム村の問題は、そもそも職員が村を好きではないことだ。職員の中に、村に住んでいる人も、出身者もほとんどいない。彼らにとっては村は田舎で魅力がない。村についても、隊員のほうが詳しいくらい。
それでも、職場に行って定時までいれば給料は保証されるから、村のためにがんばる隊員は、まるで変人扱いだ。
とまあここまでは、分析。
問題なのは、そんな状況に納得できないとイライラして、自分が疲れ果ててしまうこと。
ちょっとその傾向があったので、午後はゆっくりした。
この配属先で仕事をするのは、しんどい。よく言えば難易度が高くて、実力が試される。
ただ、それを嘆いても仕方ないし、他人を変えようともがくと、自分が潰れてしまう。
そんな中、どう振る舞っていけばいいのかな。ちょっとまだ、わからない。
とりあえず、週末は首都のスタバに行ってゆっくりします。ナントカフラペチーノを飲んでやる。