【vol36】あなたのストレス源は何ですか?隊員生活編
ベトナム首都ハノイ近郊、ドンラムで村人してます。青年海外協力隊員のminamiです。
先日、先輩隊員のカモさんと、お互いのストレス源にとっての話題になりました。
結論からいうと、私は「アンフェアな扱いを受けること」に非常にストレスを感じます。
ちなみにカモさんは「約束を破られたり、ウソをつかれたりすること」に強くストレスを感じるようです。
これはとても面白くて、一種の思考実験になります。
事例として「ホームステイ先の環境」という、私の体験した事例を挙げます。
昨年、JICAが選んだホームステイ先に、私はなかなか馴染むことができませんでした。原因は、単純に「快適さ」の問題です。一例を挙げれば「トイレやシャワーが半屋外にあり、外気がダイレクトに当たる。しかもトイレが和式」です。
日本でいえば、海の家の設備を想像してもらえればわかりやすいです。
海の家のシャワー(イメージ)。外気がダイレクトに入ってきて、特に寒い季節は不快でした。
「青年海外協力隊員として、そのくらい当たり前じゃない?」といった議論には今回、立ち入りません。
単純に、当時の私にとってはキツかった。それでも私は自分なりに努力をして、一生懸命馴染もうとしたつもりです。ただ、その努力の大本になっていたのは「ベトナム隊員みんな、同じくらいキツいところでがんばっているはずだから」という「隊員全員、フェアに扱ってくれている」というJICAに対する信頼でした。
ところが、ベトナム全土を見渡すと、実はそうではなかったのです。
もっと快適な住まいをしているベトナム隊員が、私以外のほぼ全員でした。もう少し分かりやすく言うと、私の住まいをホテルとして貸すならば、1泊3ドルでも借り手がつくかどうか。一方、恵まれている隊員は1泊20ドル以上で貸せるくらいの違いでした。
この事実を知ったとき、これまでに経験したことのないくらいのストレスを感じました。
言いようもない不快な感情が、全身にあふれ出てきました。
おもしろいですよね。キツさそのものより、フェアネスへの信頼が失われたことのほうが、よりストレスが強かったのです。
「もしカモさんが私の立場だったら、どう感じますか?」
冒頭に戻り、改めてこの話をしたとき、カモさんはこう言いました。
「あくまでも想像だけど、住まいなんて、サイコロの目だと思っているから。たまたま不運だったって思う」
・・・どうですかこの回答。フェアネスなんて、最初からJICAに求めていないのです。そう考えれば、少し気が楽になります。
「私のサイコロの目は運悪く1だった。1で馴染もうとしたけど、私には無理だった。だから引っ越しさせてください」
という態度で交渉すれば、JICAも応じてくれたかもしれません。
でも私は「どうしてそれぞれに違うサイコロが配られるんだ。どうして私だけサイコロの目だけが1なんだ。ふざけるな!」という感情が先に立ってしまい、JICAとの交渉もなかなかうまくいかなかった。結果的に、たかだか引っ越しに必要以上のエネルギーを使ってしまいました。
アンフェアを平然と見過ごすJICAのやり方もどうかと思いますが、それに立ち向かうのが私の目的ではありません。
目的=引っ越しを第一に考えるならば、「しょせんサイコロの目」というカモさんのマインドを取り入れたほうが楽だなあ、と思いました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
↓キツい環境に耐えている、他国の隊員さんには頭が下がります。でも、耐えるだけではない解決方法を考えるのも、長い隊員生活において大事なことだと思います。ブログランキングに参加しています。たくさんの方に読んでいただけると励みになるので、ぜひクリックをお願いします。