【vol65】日本人相手に商売をするということ

ベトナム首都ハノイ近郊、ドンラムで村人してます。青年海外協力隊員のminamiです。

現在、掃除機と洗濯機(脱水機)を探しています。読者の方でハノイ周辺で譲って下さる、売ってくださるという方、letteraamoroso@hotmail.comまで、連絡いただけると助かります。

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ドンラム村はすっかり涼しくなり、朝晩は毛布が必要なほどです。もうすぐ冬がやってきます。

さて、今日は日本人を相手にビジネスをするという話。

私は日本語が母国語かつ、日本人の慣習もよく理解しています。

なので、日本人相手に商売をすることが一番自然なのですが、最近、それが厳しくなってきているな、と実感しています。

よくいわれることですが、日本人の品質へのこだわりは世界一であり、その厳しい目に応えられる製品もまた世界一であると言われてきました。それ自体に異論はありません。ここで私が問題だと思うことは、日本の消費者は、品質に厳しい上に(特に最近は)金払いが良くない顧客だということです。品質にこだわるからこそ、金払いはよくしなければ、それはただの買いたたきになってしまいます。それがブラック企業を生み出す下地になっていることを、そろそろ気付いたほうがいい。

「15年前と比べてバンコクも物価が上がって・・」とハノイ在住の日本人から愚痴を聞いたことがあります。

しかし、そもそも物価は上がって当たり前なのです。物価も給料も上がってたくさんお金が動くから人も集まる。ガンガン物価も給料も上げなきゃダメなのです。この20年間、日本人のマインドがデフレに染まっていることを実感した言葉でした。

私はドンラム村の農民が生産している生茶クッキーに関わっていることもあり、たまに駐在員の奥さんからこう指摘されることがあります。

「あそこの店舗は50,000ドン(約250円)だった。違うところだと45,000ドン(約225円)だったのに。ボッてるんじゃない?」

こう言われると、私は困ってしまうのです。小売店ごとに方針があり、原料代や卸値も時期によって違う。山手線のキップ代ならともかく、価格の統一はできません。自分が納得するなら買う、しないなら買わなければいいだけの話です。

そもそも、駐在員の方は一般に月1,000ドル以上の家に住み、人によってはメイドさんまで雇っています。移動もバスは使わず、ほとんどの人はタクシーです。つまりベトナムにおいては、セレブリティなのです。それなのに、意識は日本の主婦のままだから、悪気なく人を困惑させてしまう。アラブの王様やハリウッドスターが日本に来て、農家のおばちゃんの手作りおむすびに対して「半年前より25円高い!おかしいよ」と指摘したら、それはあまり上品な振る舞いとはいえないでしょう。値上げして高いと思うのならばシンプルに「いりません」と言うだけでよく、ましてや他人に吹聴するものでもない。本人は節約のためであったとしても、それを他人に見えるようにやるのは美しくない。人には年齢や収入に合った振る舞い方があるのです。

ここに来て、日本人相手だけに商売をするって、とても厳しいことなんだなあと実感しました。

40代以上のみなさん、品質にこだわるならば、金払いもよくしないと、世界から、また日本の若者からも見放されてしまいますよ。

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ハノイ在住の多くの日本人の方にお世話になっていることは事実であり、感謝しています。それでも、感じたことを書いてみました。たくさんの方に読んでいただけると励みになるので、ぜひクリックをお願いします。

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