【Vol91】任地・ドンラムに友人はいません!?

任地・ドンラム村のことは好きなのだが、私はたまにハノイに行かないと、我慢ができない。いままでそれは、たまには日本食が食べたいとか、湯船のあるホテルに泊まりたいといった、リラックスを求める心から来るものなのかと漠然と考えていたが、少し違う要素もあるのではと最近、思うようになった。

ハノイとドンラム村では「出会う人が違う」のだ。

ドンラム村の人は、みんな素朴で、元気で、おしゃべり好きで、仕事はあまり熱心にしないけれども家族を大事にする。とても温かい人たちだ。そんなドンラム村の村人に、決定的に欠けている要素がある。それは「勉強」だ。私が接してきた村人のなかで、仕事をきちんとする人には何人か出会ったが、勉強しているなと感じた大人はほとんどいない。ヒマな時は、みんなおしゃべりか、ネットゲームをしている。

勉強をしていないとは、どういうことか。異なる背景を持つ人と、会話が成立しないのだ。だから、外国人観光客が来ても、身振り手振りで相手をするしかない。これは語学力の問題ではなく、むしろ知識や教養の問題だと思う。例えば私も、ノーベル物理学賞受賞者の日本人に出会っても、何を話していいのかよくわからない笑 それが素朴でいいという意見もあるだろう。確かに、特に南部ベトナムに行ったときに英語で話しかけられ、ボラれた経験がある人もいるだろうから、この村のよさはそういうところにもあるのだと思う。

でも、村人と話していると、ときどき退屈なのだ。視線が外を向いていないから、姿勢が受け身にならざるを得ない。そうすると、状況ひとつ(雨が降ったとか、道路工事をしているとか)で、商売がうまくいったり、いかなかったりする。そしてその状況を嘆くばかりで、工夫して生き残る術を探ろうとしない。そういった人たちと会話しながら解決方法を探していくのが私の職種であるコミュニティ開発の仕事でもあるのだが、友人とはちょっと違う関係だ。

一方、ハノイで出会う人はどうか。夢を持ち、努力して、生活をやりくりしている人が大勢いる。そういう人と話していると、とてもおもしろい。先日ハノイで出会った人もそう。彼女は外国人向けの高級賃貸マンションの営業をしていて、日本人が住まいに求める要素や、ライフスタイルについて、とても熱心に聞いてきた。そういう人とは私もまた会いたいと思うし、結果として休日にハノイに行く動機も増える。

地方に住むか都会に住むかか、日本でもよく議論になっている。幼いころから勉強の日々だった東京育ちの私にとっては、やっぱり勉強している人と友達になりたいし、一緒に過ごしたい。都会にいると、自然に勉強をしている人と出会いやすいのだから、都会から地方への移住は、そうした傾向を踏まえた上で考えるべきことだと思う。イケダハヤト氏なら、「ネットがあるんだから関係ないですよ。アナログだなあ」とでも言うだろうか。でも、友人関係が成立するには、実際に顔を合わせないと難しいというのが、私の意見だ。3カ月の間に3回会った人のことは、3年忘れないという法則がある。その意味で、都会に拠点を置いてしょっちゅう田舎に行くという選択肢や、田舎に住んでしょっちゅう都会に行く選択肢が、バランスの取れた考え方なのかもしれない。

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