【Vol97】協力隊への応募を考えている人へ・・「説得」はやめよう!

2016年がはじまりました。転機の2014年、飛躍の2015年を経て、どんな2016年になっていくのでしょうか。楽しみです。

先日、60代の方々とお話する機会がありました。私の話を興味深く聞いてくれたものの、やはり「会社を辞めることはリスキー」という価値観は根強く残っているようです。終身雇用、定年まで勤め上げるのが当たり前の世代であり、途上国で働くという決断を下すことは、しっくりとうなづけない部分があるのかもしれません。

私はこんなことを話しました。

「私の祖父は、戦争に連れていかれて、シベリアにも連行された経験があるそうです。戦争と比べるのは極端かもしれませんが、それらは日本中に存在する、歴史的事実です。それを考えると、たかだか会社を辞めてベトナムに来るくらい、なんてことありません。逆にリスクを取らない、自分の価値観を疑わないで生きてこれたという、皆さんの世代が特別なのではないですか」

批判するつもりはないのですが、やはり今の60代、それも大卒正社員やその配偶者は、恵まれています。戦争を知らず、豊かな日本を駆け抜け、年金をもらえる老後。個人個人の努力は尊敬しますが、世界史的にみても奇跡的に豊かな世代です。

ちょっと唐突な話をします。

20年前、野茂英雄メジャーリーグに挑戦しました。当時、私は小学校高学年。子どもながらに、彼が日本社会から疎まれ、陰口を叩かれながら決断したことは、なんとなく理解できました。その後の彼の活躍は、周知の通りです。

ここで大事なことは4点。

・世間には、自分の決断に賛成してくれない人が、一定の数、いること。

・そんな人ばかりではなく、誠実に努力していれば、応援してくれる人も一定の数、いること。

・結果を出せば出すほど、居心地がよくなり、応援してくれる人が増えること。

・自分の人生を自分で決めることの大切さ。

青年海外協力隊に応募を考えている人や、何かを辞めてチャレンジする人に向けて、ここからは書きます。

決断する際、家族や会社のことなど、いろいろと考慮することも多いと思います。でも、応援してくれない他人を説得するために、自分の大事な時間を使ってはいけません。自分の実力を正確に見極めましょう。そのために、OBOGの話、それもできれば、合格してから派遣までの期間にある「候補生」の話を聞きましょう。帰国者になると、応募者から見て3年以上の距離があり、任地で努力した人も、あきらめてしまった人もいます。当たり外れがあるので、候補者と会うことのほうがお勧めです。その候補生の目の輝きに、数カ月後の自分もなっていたい、候補生の仲間に加わりたいと思えるようだったら、その直感こそが答えです。

私も、応募前に訓練所にお邪魔し、候補生と接する機会がありました。常識にとらわれず、それでいて不遜ではない。そんな気持ちのよい人たちが訓練に励むその目の輝きを見て、私も仲間になりたいと思ったことが、いま振り返れば大きな志望動機になっています。そしてその直感は正しかったと、今では確信しています。

自分の直感を信じて自分で自分の人生を決め、おせっかいな人たちを説得する時間や労力を割かずに、誠実に努力を重ねていく。任地に行ってからは、様々な面で苦しむことでしょう。でもその苦しみを受け止め、思考錯誤しながら結果を出せば、徐々に居心地はよくなっていきます。

迷っているあなた。勇気を持って日本を飛び出しましょう。いま、私は32歳にもなって、日々アイデンティティが壊され、再構築されている感覚を持ちながら生活しています。そしてそれは決して不快なものではなく、リスクを取ってベトナムに来なければ、得られなかった種類のものです。年収は80%くらい下がった気がしますが笑、お金では換えられない貴重な経験をしています。お金は後で稼げばいいですが、あなたの若さは有限です。

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