この1年でこれをやろう!そして帰国後は・・。

2016年が始まりました。残り任期は9カ月。残り任期でやりたいこと、帰国後の進路についても、少しずつ書いていきます。

活動については、生茶クッキー支援に引き続き、絵はがきプロジェクトを進めています。準備は進んでいますが、流通や現金化については、動きながら考えていくしかありません。化ける可能性のあるプロジェクトなので、ぜひ成功につなげたい。

活動を成功させるために大きな障壁だった配属先との関係ですが、いまは技術移転という(JICAにとっての)目標をいったんあきらめ、村のためになることを優先して活動を進めています。任地の問題点の認識が、配属先と協力隊員の間でずれている(と協力隊員が感じた)ときに、隊員はどう動くか。これだけで1冊の本を書けそうですが、私の場合は、配属先との関係は壊さずに、村のためになることを個人で行う、という方針にしています。

なぜ私は、配属先といっしょに動かないのか。

技術移転や村の発展という目標のためには、配属先にとって耳の痛いことを言わなくてはならないこともあります。しかし、村のためという大義名分だけでは通用しない、大人の事情をもって行政組織は構成されています。

例えば、配属先である観光事務所には、英語ができる職員が1人としていません。なぜか。コネ採用がまかり通り、ヘタに英語を使えたりして実力のある人を採用すると、コネ就職組の実力のなさが露呈してしまうからだと、私は分析しています。それに対して立ち向かい、関係を壊さずに既得権益に切り込み、win-winの関係に持っていくスキルは、私にはありません。もっといえば世界中で、通訳なし、人事権なし、予算権なしで、他国の行政組織を変えることのできる人は存在するのでしょうか。もっとも、そこまでのことを隊員に求められているわけではありませんが、配属先の隊員に対する期待はあくまでも「既得権益を侵さない限りで」任地のためになることをしてほしいのです。まともに意見を言ったら、居心地が悪くなる。だから、村の発展のためには忸怩たる思いがあっても、配属先に対して意見を言うことは控え、かといって彼らの価値観に染まりたくはない。だから一緒に動かない、という選択を私はしています。(参考:外国語でケンカするな)。

配属先のメンツは立てた上で、やりたいことをやる。配属先もそんな私の意図を感づいていると思いますが、私を刺激するのは得策ではないと考えているのでしょう。自由に活動させてもらっています。奇妙な均衡ですが、それも大人の知恵。村人のためになる結果を出すことがいちばん重要であり、その目的のために、私はベストを尽くしています。

ここからは、帰国後の進路の話。

大学を卒業して不動産デベロッパーに就職した私。その経験が軸になって現在の活動にもつながっていますが、進路において重点を置きたいことは、3点あります。1つずつ、説明していきます。

・ビジネス=商売であること

・現場が存在すること

・外国とつながっていること

・ビジネス=商売であること

JICAという組織に身をおいて、ビジネス=商売人にとっての非常識がまかり通っている国際協力という世界に衝撃を受けました。優秀な方が揃っているはずなのに、JICAの支援で作られたノイバイ国際空港のように、パーフェクトとは言い難い支援が見受けられます。一納税者として、納得できないことが多々ある組織です。

その理由を考えてみると、ビジネス=商売=お金=売上=原価=利益といった、世界中どこにいっても、誰にとっても明確な指針が国際協力の世界には存在しないからです。自分の給料、自分の会社の経済的自立性を確保するために、必死にメシの種を探しているのが民間企業です。カネを媒介にするから真剣になり、工夫する。その思考錯誤こそが仕事の醍醐味であり、やりがいです。でも、JICAはそうではありません。国会決議なるものに命運を握られている組織です。民意という極めてあやふやなものを、国会議員を通じて間接的に追いかけざるをえない。そういった類いのものにエネルギーを使うことは、私にとってつまらない。

・現場が存在すること

ビジネスであればなんでもいいのか。そんなことはありません。私は、資本主義が近年、猛威をふるい、弱者を切り捨てるような格差社会を世界中に生みだしてしまう原因のひとつとして、現場主義の精神を失ってしまったことを理由として考えています。

たとえば現場主義が生きている業界、製鉄業を考えてみましょう。製鉄所という現場や鉄という品物がある以上、それらを離れた取引はできません。生産量や需要を上回るような取引はできないという、健全な常識が生きている業界です。資本主義の世の中にあって、金よりも品質、安全を優先するアイデンティティを持っている業界です。現場を尊重する会社は、見ていて気持ちがいい。しかし、大半の業界はそうではありません。私が勤めていた不動産デベロッパーにおいても、証券化という金融と結びついてマネーを調達する手法が一般的になり、現場から距離が離れつつある印象です。現場を介在することによって資本主義の負の側面から距離を置くことができる。私はそう考えています。

・外国とつながっていること

これは、世界中を飛び回る仕事のほうが知的好奇心をそそられて楽しいという理由と、日本国内で日本人相手に商売することは、この先どんどん消耗が激しくなるなあ、と感じているからです。いま暮らしているベトナムに限らず、アジアを中心に、特に商売でかかわっていきたいです。

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