【Vol113】ひと月がんばろう、それが一生につながる

「どうしてそんなにベトナム語ができるんですか?」

ハノイ在住の日本人から、そう聞かれることがある。私よりもっとできる人はいくらでもいるが、いちおう一般的には「できる」部類なのだろう。なぜか。その基礎にあるのは、やはり派遣前訓練になる。派遣前訓練とは、JICAの研修の一環で、70日間、語学を中心にみっちりと合宿形式で訓練を受けるものだ。

その派遣前訓練。私はこれまでの人生で経験がないほど、勉強ばかりしていた。1日あたり、優に10時間は超えるだろう。それを2ヵ月半。それでも、赴任した当初はほとんど通じず、何度も絶望的な気分になった。それでも、少しずつの上達を積み重ねていったその結果、いまがある。それでも、一週間もベトナム語から離れてしまえば衰えてしまう感覚が確実にある。それほど、語学というのは難しい。

これから、私にはフォローアップ研修という、ハノイに上がってみっちりとベトナム語を勉強する期間がやってくる。けっこうハードだが、しょせん1日6時間の授業である。予習復習含めても、10時間程度だろう。「その程度」と思えるのも、成長した証拠だ。

「ひと月頑張れるということは実はすごいことで、ひと月頑張れる人は1年頑張れる。1年頑張れる人は、それを積み重ねて10年頑張れる。10年頑張れる人は結局、一生頑張れる」

「ひと月ならばおれは頑張れるぞ、いけるぞという自信を持つことは、結局、一生おれは頑張れるぞ、いけるぞという自信の基礎になるんです。それを持てるかどうかのチャンスが、このひと月の頑張りにある」

今でしょ!」の林修さんが、著書にそう書いていた。

結局、ベトナム語ができない理由は、ただひとつ。絶対的な勉強量の不足である。勉強とは、なにも机に座ってするだけのものではない。日本語から離れ、ベトナム語と接する時間を増やすこと。語学の天才でもない限り、それしか上達の道はない。街に出よう。話しかけてみよう。友達を作ろう。会話しよう。メールしよう。発音を、文法を、直してもらおう。これらは、心がけ、行動ひとつである。そしてベトナム語学習のために行動するのに、ハノイ中心部ほど適した場所は、世界中どこにも存在しない。

いらないものは、プライド、見栄である。「これで通じるかな・・」とビクビクしながら伝えるベトナム語は、自然にそうした口調になってしまい、発音が変わるので絶対に通じない。残念ながら、ハノイ在住の日本人のベトナム語は、そんな感じの人が多い。自信がないから、自然と弱々しく、語尾が下がる口調になる。すると、声調が何や何やらわからなくなってしまう。それほどまでに、ベトナム語の発音はシビアなのである。

もちろん、学習は楽しいことばかりではない。嬉しいことと辛いことは、だいたい3:7くらいでやってくる。でも、その7をやり過ごし、3に過剰なくらい喜ばないと、結果はついてこない。でもその結果は、大きな果実となってあなたに返ってくる。

語学はしょせん、道具。でも、道具は使いこなすことで、この世を渡り歩く武器になる。外国語を介して意思疎通ができたと確信したときの喜びは、母国語を通してしたそれよりも、さらに甘美なものだ。これは協力隊員、それも特殊言語であるベトナム隊員になってよかったと思うことのひとつである。

「もう年だから・・」なんて言わないで、語学に本気で取り組んではいかが?人生、変わりますよ。

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最近、村の子どもたちとお寿司のレプリカを使って日本語を教えています。「ワタシは、スシを、タベマス!」

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