【Vol117】配属先に恵まれなくて、私は幸せです
最近は、ほとんど自由に仕事をしている私。青年海外協力隊って、軌道に乗ってしまえば楽な制度だと思う。もっとも軌道に乗ることが、簡単にはいかないのだけれども。
さて今回は、配属先が仕事を与えないという、協力隊員にとってはそれほど珍しくはない話。
青年海外協力隊はJICAの事業の一環のため、現在進行形で支援が続いている組織に配属されることもある。そうすると、活動はグッと楽になる。なぜなら、向こうから自然に仕事がやってくるからだ。時には通訳のようなことをすることもあるだろうし、アテンドをお願いされることもあるだろう。日本や首都にいるJICA関係者から、現地でちょっとした仕事を頼まれることも多いに違いない。週1回でもそういう仕事が入ると、活動にメリハリがつく。
ドンラム村もその例外ではない。過去の隊員の資料を探っていくと、2013年、前任者の1年目までは、かなり手厚い支援が入っていたようだ。過去にはJICAだけでなく、昭和女子大や文化庁、それに紐付いた視察団や調査団の対応などが、活動の大半を占めている隊員もいた。
だから、私の配属先の隠れた問題(隊員に仕事を与えない)は、表面化せずにすんでいた。
しかし、2014年も終わりに近づくと、JICAの支援は事実上終了していた。私が赴任してきたのは、そんな時期だ。
赴任当初、配属先は私にまったく仕事を与えなかった。いま振り返れば、それまではJICAが隊員に仕事を与えていたのだから、それほど不思議なことではない。そんな中、私は手さぐりのまま、3カ月ほどで村の問題点を洗い出して報告したものの、配属先はそれらを解決する気配を見せなかった。どうやってアプローチしていいものやら・・配属先の勤務態度やJICAの支援のやり方、いろいろなことに不満を持っても誰も意見を聞いてくれず、赴任して3-6か月くらいのこの時期が一番辛かった。
それからしばらく経ち、あるときから、私は配属先を当てにするのはやめ、自分だけで仕事をすることにした。時期としては、赴任から半年から1年経った頃だ。きっかけはいろいろとあるが、カウンターパート(とされているらしき人物)の言動や行動に嫌気が差したことが大きい。彼女は残念ながら村に来ることも皆無に近く、村人からもよい評判を聞かない。
あるとき、ふっと決めた。「もう、彼女と一緒に仕事をすることはやめよう」
もちろん、自分だけで仕事をするのは簡単なことではない。いちから人間関係を構築し、仕事につなげていくのだから。もっとも、前向きなチャレンジだったから、楽しかったし、自分がJICAや配属先を超えつつあるという感覚が、心地よかった。詳しくは以前の記事を。
青年海外協力隊員は、1人1人が独立している。隊員らしさとか、隊員の仕事ってこんなこと、という定義付けはできないし、するべきではないと思う。私たち1人1人が自分なりの隊員像をつくるのであって、他人の言うことに惑わされることは、赴任から1年以上経った現在に至ってはありえない。なぜなら、今現在のドンラム村や配属先について、私以上にものごとを知っている日本人は存在しないし、私がしてきた仕事は、たくさんの人の助けを借りながら、私が私の力で成し遂げたことだからだ。
任地で仕事がない、と嘆いている隊員も多い。それは好ましいことではないし、そんな要請を出したJICAにも問題はある。でも、嘆いたところで状況が変わるわけではない。こんなのおかしいと大いに反発し、大いに嫌われよう。そして孤立無援になったら、自分で仕事を創ればいい。そうすれば、創った仕事が人を呼んでくる。仕事が、新しい人間関係を、カウンターパートを創ってくれるのだ。孤立無援だった私が、私が創り出した仕事によって、今はたくさんの人と仕事をともにできている。私にとっては、自分が創り出した仕事によって知り合えた方々やドンラム村の村人こそがカウンターパートであり、配属先職員はカウンターパートではない。
いま私が見えている景色は、とても気持ちのいいものだ。受け身の仕事をこなすのではなく、自ら攻めて仕事を創造できていることが、私を成長させている。
配属先に恵まれなくて、本当によかった。
もう一度体験したいかといえばNOだが(それほど辛かった)、それを乗り越えた先のチャレンジほど、あなたを成長させてくれるものはない。
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