【Vol120】日々の活動に、ビジネスマインドを入れてみては?

青年海外協力隊員の活動において、売上や利益といった結果を求められることはない。その中で生活していると、自然とビジネスマインドが衰えてしまう。それは危険なものだ。

ビジネスマインドは、売上-費用=利益を常に頭に入れながら、日々の仕事に取り組んでいる姿勢のこと。これを持っていないと、自分の会社がどうやって利益をあげ、給料を出しているのかがわからない。そしてそれがわからないと、経営者のマインドでなく、労働者のマインドのまま働くことになる。労働者のマインドのままだとどうなるか・・。

青年海外協力隊員は、帰国後の就職に苦しむことが多いという。一般化はできないが、海外で生活してきた2年間が、営利企業に必ずしも認められていない、ということは事実だろう。タフで、語学力もあるはずなのに。

なぜか。

隊員の多くは、ビジネスマインドを持っていないからだ。この世を動かしている基本は経済、商売、ビジネスという意識が薄く、国際協力に関する理想論を振りかざしたり、たまたま2年間だけ、経済性から離れた活動ができているという現実を意識せずに日々を過ごしている。

現実の世界では、経済性から離れた仕事は、仕事ではない。たまたま経済性から離れた特殊な職種も協力隊員には多いから、それに引っ張られてしまうということもあるだろう。例えば、学校の先生や医療従事者がビジネスマインドが強く持つことは、必ずしも良いことはいえない。しかし、私のようなコミュニティ開発隊員は、ビジネスマインドを持つ必要がある。

一時帰国した際に、JICAの就職課の職員と会う機会があり、こう問いかけられた。

「minamiさんは、帰国後はどんなことを優先順位の上位にして、仕事を探したいと思っているの?」

私は答えた。「まず経済的な自立のため、このくらいのサラリーが大前提。その上で、こんな優先順位を持っています・・」

続けて話すと、彼は私にこう言った。

「minamiさんが素晴らしいのは、最初に経済的な自立を大前提に置いているって言ったこと。それをなしに、理想ばかり掲げる隊員OBOGは、意外に多いんだよ。それじゃ趣味の世界。企業には評価されないよね」

もちろん、理想を失ってカネばかりに走るのは、つまらない。でも、カネを軽視して理想だけに走るのは、大人の仕事とは言えない。

理想とは違う仕事の中で、10%か20%だけでも、理想を実現できるように汗をかく。その過程で工夫し、世界共通の単位であるカネをやり取りするからこそ、商売は、仕事は楽しいのだ。

任地にいるときからこのことを意識していないと、OBOGになったときに、隊員時代とは違うことが求められているというギャップに苦しむことになる。その意味で、JICAという組織に馴染み過ぎては危険だと、私は思う。

改めて考えてみると、自分1人を支えるための給料を得るって、大変なのだ。例えば私は月に350ドルほどの生活費をもらっているが、その生活費に相当する利益を得るためには、一般的にはその10倍、3,500ドルの売上げをあげる必要がある。もちろん我々にかかっているコストは、それ以外にもたくさんある。それだけの価値が、あなたの活動にあるのか。考えてみるのも面白い。

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