【Vol134】保育所問題について、ベトナムの農村から思うこと

日本での大きな社会問題のひとつに、保育所の建設がある。しかし意外というべきか、地域住民から反対の声が上がることが新規建設にあたって大きな障壁になっているという。

あれっと思った意見のひとつに、「夜勤をしているから、朝方に子どもの声が聞こえると眠れない」というものがある。そっか、夜勤か。ドンラム村には存在しない言葉だ。

ここに住んでいると、夜は寝るものだし、昼はうるさいものだということを実感する。私の部屋は区役所の一角にあるため、朝6時から大音量ラジオで共産党の宣伝が始まるし、逆に夜は22時で完全消灯する。遅くまで寝ていたいときは、うるさいなあと感じることもある。

ベトナム人は、とにかくうるさい。声も大きいし、バイクや車のクラクションもすごい。信号や標識を誰も守らないので、自分の存在をアピールするため、自衛のために鳴らすのだ。公共心が欠如しているため、スターバックスや映画館でも、子どもが奇声をあげて走り回っている。正直言って、うんざりしたこともたくさんある。ドンラム村にある唯一のカフェの向かい側にも保育園があるが、クラクションと鶏の鳴き声と子どもの声がミックスされて、うるさくて集中できないからどうにかしようとしても何がうるさいのか皆目わからないので受け入れざるを得ない。

でも社会は、みんなが一定の我慢をすることで、潤滑に回っていく側面もあるのだ。例えば、公共の場所で騒がないという我慢をすることで、日本では快適に電車の旅を楽しむことができるが、ベトナムでは難しい。逆に、保育園で騒ぐ子どもの声を受け入れることで、ベトナム人はたくさん子どもを産んでいるし、日本は少子化に苦しんでいる。

前述のように、日本では、保育所を開業するにも、夜勤の人たちの休養を考慮しなければならない。そのメリットとして、例えば24時間営業のコンビニが存在して、私たちは便利な生活ができている。意外かもしれないが、コンビニと保育所は、実はつながっているのだ。

「おばあちゃん、この家がうんと好き。学校がすぐそばにあるからね。子どもたちの声を聞くと、元気が出る」。田舎に住む祖母は、そう言っていた。そういうおばあちゃんの感性が私は好きだが、夜勤明けの人にその価値観を受け入れろというのは酷な話だろう。

むしろ、夜間に無理して働かなくても経済が回る、暮らしていけるだけの収入を得られる社会を作ることが先決ではないだろうか。コンビニの24時間営業をやめること、夜に寝る人を増やすことが、保育所の増加に、引いては少子化の解決に一役買うと、私は思う。コンビニがインフラであるという声を日本ではたまに聞くが、24時間営業にこだわる必要はないだろう。

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