【Vol139】勉強会に参加しました・・児童労働について

先日、ハノイで行われた児童労働についての勉強会に参加した。まったく知識のない分野について、日本語で専門家に説明してもらえるのは貴重な機会である。メモをもとに、感じたことなどを書いていきたい。間違いがあるかもしれないが、ご了承ください。

・児童労働とは、ILOの条約に基づき「禁止されている」児童労働のこと。すべての子どもの労働が禁じられているわけではない。
・年齢や国の状況によって、児童労働の定義は異なる。かなり細かく分かれている。
・児童労働をなくすには、学校の存在が重要。学校や勉強で忙しくさせれば、労働をする時間は必然的に少なくなる。
ベトナムで難しいのは、ほぼ全員の児童が「いちおう」学校に通っていること。半日学校、半日労働というケースも多い。
・そんな中でも、児童労働の存在について、近年ベトナム政府が認めた意義は大きい。
・究極的には使用者側に刑事罰を与えることが、児童労働の撲滅には必要だと思われるが、家族が使用者側であることも多く、現実的には難しい。
・先進国側の事情により、児童労働が存在する部分もある。特にベトナムにおいては、繊維(アパレル)産業について、注意が必要。

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質疑応答で、2点質問した。
「そもそも、どうやって児童の正確な年齢を把握するのか?戸籍がない途上国で、年齢を正確に把握するのは難しいのでは。例えば、15歳と19歳は、外国人にとっては見た目で判断するのは難しい」
→「指摘の通りで、正直、自己申告に頼っている部分が強い。DNA鑑定などをはじめてしまうのもやり過ぎなので、本人やコミュニティの申告に基づいて年齢を判断している」

「日本でも、富岡製糸場のように、児童労働の温床はかつてあった。児童労働が劇的に減るタイミングはどこにあるのか?経済成長によるものなのか?」
→劇的に減るタイミングは、義務教育の浸透が一番大きい要素である。学校で忙しくさせると、労働をする時間が自動的に減る。

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やはり刑事罰を含めた強制力がない以上、国際機関(ILO)の力には限界があると感じた。ILOの仕事は定義付けや調査、存在の認識、広報活動がその大半を占めていて、その解決方法の提示、実行までには手が回らないのは、仕方がないところといえるだろうか。とはいえ「あの」ベトナム政府に、負の側面について公式に認めさせた意義はそれなりにあるのだろう。
これまで私は、学校を作るという類いの、途上国の支援体制に懐疑的だった。学校や子どもといったわかりやすい支援の形に囚われ、その運営や維持管理について、継続の視点がなく、大口ドナーが支援をやめたり、先生がいなくなったり校舎が壊れたりするだけでプロジェクトが崩壊してしまうというケースがあるからだ。しかし、学校にいる時間をなるべく増やすことが、児童労働の問題について効力を発揮するというのは、新しい視点だった。

最後になりましたが、講演者の方、事務局の運営者のみなさまに、お礼申し上げます。
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