【Vol150】日本で一番役に立たない公務員

私は男子校出身である。それも小学校から高校卒業まで、12年間も男子のみの学校に通っていた。男子のみの社会で過ごすと、何もかも斜に構えるのがかっこいいと思ってしまう。それが度を過ぎると他人や地域社会に迷惑を与えることにつながるが、とにかく既存の常識は疑ってかかるというのが基本的なスタンスになっていた。例えば卒業式でも、校長から名前を呼ばれたら「何だコノヤロー!!」と叫び、ドンキホーテで売っている仏像のお面をかぶって卒業証書を受け取りに行くということがごく日常だった。先生も苦笑いするしかない。

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こんなのをかぶって卒業式。バカですね。

そんな男子のみの社会と、私がいま所属している青年海外協力隊という社会は、かくも違うという話。

青年海外協力隊員には、派遣前訓練という、語学を中心とした研修がある。訓練と銘打ってある通り、福島の山奥にこもって1日10時間以上語学を勉強し、規則正しい生活を70日間、送る。

隊員は同世代が多く、自然と濃密な人間関係が築かれる。

協力隊に入って、みんな素直だということにびっくりした。瞳がまっすぐで、自然と困っている人に手を差し伸べられる人たちだ。自分がいま、人のために何ができるのかを考え、それを実行できる人たち。それはとても気持ちのいい側面であり、そんな仲間たちの一員になれたことを誇りに思う。

しかしそれは裏を返すと、深読みをせず、言われたことを純粋に信じてしまうことにもつながる。JICAは官僚組織であり、その監督組織である外務省は権力闘争の巣窟である。何よりも省益を優先する組織であることは事前知識として持っていていいことだし、20年以上生きていればそんな場面に出くわしたときに何らかの嗅覚が働くようなものだが、不思議と言われたことを純粋に信じてしまう人が多い。以前に書いた恩返し理論もそのひとつ。

もし私が研修で「君たちは日本で一番役に立たない公務員なんだからな」なんてことを言われたら、「なるほど。ところで某都知事は役に立っていないだけでなく、ただ社会に害悪を与える存在でしかありませんが、それよりはマシってことですかね。あーよかった」と返したくなってしまう。そこまで意地の悪いことをする必要はないけど、こういう言葉に対して素直に「そうだ、青年海外協力隊は現時点でまったく役に立たない公務員なんだ。がんばろう」と思えるメンタルは、男子校では育ちません。

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