【Vol167】残り任期の目標「他者貢献」

任地・ドンラム村で行ってきたさまざまな活動。そこで、自分は意外にやれるんだという自信を得られた。村上春樹の言葉を借りると「リスキーなものを進んで引き受け、それをなんとか乗り越えていくだけの力が、自分の中にもまだあったんだ」ということを証明できたということになる。

その反面、自分の能力でできる活動の限界も見えてきた。限界を再び越えようと努力して、イチから人間関係を構築していくエネルギーは残っていない、というのも正直なところ。燃え尽き症候群というか・・。この1-2ヵ月、そんな感じが続いている。

あっという間に任期は3カ月を切っている。どうしよう・・と言っても、答えは自分で見つけるしかない。

そうやって悶々としているとき、ベッドの上で本を読んでいたら、ヒントを得られた。「嫌われる勇気」だ。

大事なのは「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」の考えだ。いまの私は、ちょっとしたことで感情が揺れ動くようになっている。すると自然に、他者を敵だとみなし、信頼しなくなる・・というよくない循環になっていた。もちろん、他者を信頼して、貢献した結果が思うようにいかないからといって、心を乱されないように注意する必要がある(課題の分離)が、基本的には他者を仲間だと認識して信頼し、貢献することで世界は変わっていく・・かもしれない。

この「かもしれない」というところがポイントで、それを目的に他者貢献するようになると、見返りをくれない人を敵とみなすようになる。だから、あくまでも自然な形が理想だ。

そんなことを実感した出来事があった。先日、ハノイにあるスターバックスの店員さんから、誕生日のメッセージをもらったのだ。2014年から2015年にかけての赴任当初、東京とは何もかも違うドンラム村での生活に疲れ切っていた私は、ハノイに上京した時に訪れるスターバックスでのひと時に癒され、自然と英語を話せる店員さんと仲良くなった。私は彼女にベトナム語を教えてくれたり、親切にしてくれるお礼にと、「先生の日」に花を渡したり、日本のお土産を渡したりした。

そのうちの一人から、メッセージをもらったのだ。日本語ができるわけではない彼女が、恐らく人生で初めて書いた日本語が、私への誕生日メッセージだった。こんなに嬉しいことはない。

他者貢献って、こういうことなんだ。いつも親切にしてくれるから、気持ちだけでも・・と起こした行動が、人生に彩りを与えてくれる。

仕事をしよう、結果を出そうとがんばるより、「この人に喜んでもらえるために、何をしよう?」と考えた結果が活動になる。それでいいじゃないか。ドンラム村の発展、村人の収入向上のためと肩ひじを張るのはやめ、このスタンスで残りの3カ月を過ごしていこうと思う。

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「遅れちゃったけど、誕生日をお祝いできて嬉しいです。友達になってもうすぐ2年だね!」と書いてある。yukiペンネーム。

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