【Vol170】自由に対する重大な挑戦~バングラデシュの事件を受けて~

バングラデシュの事件を聞いて、数か月前にドンラム村を訪れたバングラデシュ人のことを思い出した。たまたま村に来ていた団体客だったので話しかけてみたところ、JICAのことも、青年海外協力隊のことも知っていたし、よくやっていると感謝された。バングラデシュではJICAの認知度が高いんだという印象を持った。

テロリストに対して、日本人だと言っても構わず殺されたという状況を受けて、援助したから狙われるという記事を目にした。確かに、うなずける部分がなくはない。ベトナムにいても、農村で活動している私にとっては「英語で、クーラーが効いた会議室で決めた国際協力の施策ってどこか歪んでるよな」とハノイのJICA事務所に行くたびに思っている。途上国の貧富の格差をなくすために活動している当の職員が格差社会の最上層にいるというのは、批判されることではないにしろ、諸手を上げて賛成とは言い難い部分があるのだ。

もっともベトナム親日、宗教上、人種間の争いがないことに加え、格差はあっても「貧しい」=「不幸せ」=「社会に対する不満」という図式が成立しているとは言えず、テロの危険性は高くないと思う。とはいっても、何があるかはわからないと。ハノイでも欧米人が集まるカフェ、バー、クラブ等への立ち入りは控える必要があるし、スタバに行くのもザラっとした感覚を持ってしまう。

それにしても、テロリストはむごいことをする。ただ、大多数を占める穏健なイスラム教徒も、「あんなのは本当のイスラム教徒ではない」「この事件で偏見を持たれてしまうのではないかと心配」と言うのではなく、どうして自分たちの宗教から派生した不届き者が世界を恐怖に陥れているのか、どうすれば彼らを修羅の道から戻すことができるのか、真剣に考えてほしい。イスラム教徒だからこそ、自称イスラム教徒に対してできることがあるはずだ。コーランを暗唱できなかった者だけ選別して殺したという事実は重い。

ダッカ、バグダット、ラマーディ、モスル、アレッポ、ダマスカス、イスタンブールアンカラベイルート、アデン、カブール、ラホール、ディクワ、バイドワ、オーランド、パリ、ブリュッセルダッカ。今年に入って、テロリストに襲われた都市だ。犠牲者の冥福を祈ると同時に、これ以上増やしてはならないという決意が、ひとりひとりの人間に求められていると思う。

さて、週末(9日土曜)はハノイにあるひまわり幼稚園さんの夏祭りで、ドンラム村のブースを出展させてもらいます。生茶クッキードンラム村の地酒など、普段より少し安くお求めいただけます。ぜひご来場ください。

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