【Vol181】活動を続ける上でのコツ

2年間の任期満了まで、あと1ヵ月半ほど。活動を進めていくうちに、仕事をうまく進めていく上でいくつかコツがあることがわかったので、書き留めておきたい。

・外国語でケンカするな

以前書いた記事の通り。特に、相手の母国語でケンカしてプラスになることは何もない。ただ、要求を通したり、交渉しなければならないこともあるだろう。その場合はしっかり通訳を立てるか、人事権や予算権を握った上で行動しなければ、相手を動かすことはまずできないと思っていい。協力隊員は通訳、人事権、予算権は持っていないため、これらの行動を起こすことはお勧めしない。つまり、配属先を動かすことは、基本的にできないと思っておいたほうがいい。隊員が粘り強く交渉したり、工夫をすることによって配属先がついてきたり、自分たちで主体的に動くようになったという美しいストーリーもあるのだろうが、それに期待して動き、一喜一憂してストレスを溜めることもマイナスになる。私自身も配属先を動かそうと頑張りすぎて、ストレスを溜めてしまった経験がある。配属先が動いてくれないなら、動いてくれる人を配属先の外で探した方がいい。鳴かぬなら 鳴くのを探そう ホトトギス

・自分でコントロールできる範囲を意識しておく

活動において、ストレスの大半は「どうして決めた通りに動かないの!」「約束の時間に遅れるな!」といった、他人の行動が自らの期待に添わなかったことが原因となるものがほとんどだ。当たり前だが、信じられるのは自分だけ。言い方を変えれば、自分以上に信じられる存在はいない。だから、自分と似た行動をしてくれる人の範囲を、あせらず徐々に広げていくという考えを持ったほうがいい。もっとも、どうやって広げていくかは人それぞれ。いちばん良くないのは、「だからベトナム人はダメだ!」と簡単に結論付けてストレスを溜めてしまうこと。小学生レベルの仕事もロクにできないベトナム人もいれば、高いレベルの仕事をできるベトナム人もいる。日本で働く以上に、仕事を投げる相手の力量を見極めるのが大切だ。仕事をできない人間に仕事を振り、案の定できなくてイライラするのはバカらしい。

・小さな成功を大事にする

日本にいると、100点はおろか、120点を目指せ!と言われる。でも、ここはベトナム。誠実に仕事をした結果、50点しか取れないときもある。そこで落ち込まず、改善点をしっかりと認識して再実行すると、次回は60点が取れる。2回合わせて110点なら大成功でしょう。良くないのは100点を目指すばかりに、何もせずに時間を過ごすこと。例えばイベントを企画するならば、無事にイベントが済んだだけで50点は取れている。来場者がどう、利益がどうというのは次の話。まずは50点でいいから、やってみよう。

・引き継ぎは意識しなくていい

村を案内した人から「minamiさんが帰ってしまったあとはどうするの?後進の育成はできているの?」と聞かれることもある。それは私の活動を認めてくれて嬉しいと思う反面、私には関係のない話だとも感じている。少し冷たいように聞こえるかもしれないが、私は村人から自分が信頼され、誠実に仕事をして存在感を示し、村に居場所を築くことができただけで、自分の活動に100点を付けてもいいと思っている。高校野球に例えるならば、がんばって練習してレギュラーを掴み、甲子園出場を果たした高校球児に向かって「あなたの高校は翌年甲子園に出られなかったよね。後輩の育成はしたの?」と突っ込むのは、野暮というものだろう。後進の育成は監督や経営者、配属先やJICAが考える話で、プレイヤーや担当者、一隊員が考慮すべき事とは思えない。引き継ぎなんて考えず、自分が納得する活動をしよう。

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