【Vol188】青年海外協力隊50周年記念式典はいらない!?
私たちベトナム派遣組というのは、ちょっと特殊な存在だ。
この国での青年海外協力隊員の影は薄い。というよりも、JICA内での立場が弱い。JICAベトナムは大きな組織で、私自身も、いちども話したことのない職員がほとんどだ。「すれ違ったらあいさつをしろ」と派遣前の二本松訓練所では口酸っぱく指導され、それが爽やかな協力隊員のイメージを作っていたのだが、JICA職員はいつも急ぎ足で、あいさつはおろか、目も合わせない。日本の会社らしいともいえるが、ちょっとした寂しさも感じる。
日本大使館主催の天皇誕生日のパーティーが毎年12月にあるが、協力隊員は(少なくとも首都近郊隊員である私は)声をかけてもらえない。
世界各国で開催されている青年海外協力隊50周年記念式典は、ベトナム事務所では開催されなかった。JICAホームページによると、ブルキナファソ、コロンビア、ソロモン、ガボン、タンザニア、セントルシア、ジャマイカ、ラオス、コスタリカ、ペルー、モロッコ、カンボジア、ホンジュラス、マラウィ、中国、マレーシア、エクアドル、マダガスカル、フィリピン、ケニアで開催されたそうだ。
天皇陛下がフィリピンを訪れた際には、協力隊員も謁見する機会を得られたようだが、もし皇族がベトナムを訪問されても、協力隊員に声がかかることはないだろう。
なんだか(他の国に比べると)ベトナム隊員は軽視されている様に感じるし、それは気分のいいことではない。
でも、いまとなって振り返ると、それでよかったのだと思う。
JICAが日程を決め、会場を押さえ、経費が支給され、広報までしてくれる。そんなイベントに乗っかって隊員同士で企画を主催したところで、それは身内を中心としたノーリスクなチャレンジに過ぎない。彼らの努力を否定するつもりはないし、活動と両立した上でのイベントなら素晴らしいが、厳しくいえば学生の文化祭や訓練所の延長線上に位置するイベントを海外で行ったところで、それは大人の仕事として評価できるものではないと、私は思う。
協力隊員とは本質的に孤独なもので、JICAはサポート役に過ぎない。JICAに頼った活動がメインになってしまうと、JICAがいないと何もできない、そんな隊員ができあがってしまう。せっかく徒手空拳、孤独な環境でチャレンジできるチャンスなのに、それはもったいないと思う。
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