【vol24】シリーズ:日本で思ったこと~日本人の気質編
先日まで、日本に一時帰国していました。
久しぶりの日本で感じたことを、少しずつ書いていこうと思っています。
ベトナムで働くようになって間もなく1年。
一番苦労したことは?と問われると、配属先の同僚との関係、特に働き方についての認識の違いになります。
これは、現地の日系企業などでよく言われるベトナム人のマネジメントという問題の一段上のレベルにあるものです。何しろ、こちらは外国人たった1人で、人事権もない。加えて、すべてベトナム語でのやり取りになるのですから。
その一方、見方を変えれば、生身のベトナム人を知るのにはぴったりの環境といえます。
さて、ベトナム人の働き方と聞いて、みなさんはどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。
「割と勤勉だって聞くよ」「南国だからのんびりしてそう」
そんなイメージが一般的かもしれません。
もちろん一般化はできなせんが、少なくとも私の同僚は、不真面目で、働きません。
ホワイトカラーの地方公務員というマジョリティとはいえないサンプルなので一般化はできませんが、少なくとも日本人のほうが勤勉なのは、間違いがなさそうです。
例えば・・
浅田「あの資料はどうなった?やっておいてって言ったはずだけど・・」
同僚「あー、ゴメン。忙しいからまだやってないよ。時間ないんだ」
・・そう言いながら、PCの画面を覗き込むと、You tubeで24を見ていたり、マフラーを編んでいたり(暑いのにいつ使うんだ)、まあひどいものです。
信長の野望やシムシティみたいに、やたらと時間がかかりそうなゲームをしていることもあります。街をつくる前に資料をつくってくれと。
一方、日本はどうでしょうか。私の友人何人かに会いましたが、「みんなよく働くなあ」という印象を持ちました。
本屋に行ってびっくりしたのですが、一般のサラリーマン向けの勉強法や組織論などの本が本当に充実している。
本屋さんの様子
旅行会社の受付などだと、込んでいる時期はトイレに行けないために、膀胱炎が職業病だという話も聞きました。
いかなる立場にあっても努力するのが、がんばるのが当たり前という価値観が染み付いてる、まじめな民族だなあ、と改めて思いました。
そんなことをぼんやり考えながら、九段下にある昭和館に行くと、戦時中の暮らしを特集した展示がされていました。
頑張れ歳末、休むな新年。欠勤解消。
すごいですよね。米英撃滅がまるでかすんでしまうキャッチコピー。まるでブラック企業ならぬブラック国家。
働くということが人生において、ある意味では重視されすぎている。現代に生きるいまの私たちでもこのポスターを笑い飛ばせないところに、日本の根深い問題が隠されていると思います。
まじめなのは、基本的に誇るべき文化です。きびきび働いている職人さんを見ていると、心地よくさえある。
働く料理人たち。
でもそのまじめさをときに疑って、戦略的に動かなければ、我々は無謀な戦争に突入したり、過労死するまで働いてしまう民族なんだな、と感じました。
一方ベトナムは、中国、フランス、アメリカに何度もひどい目にあわされながらも独立を守りぬいている国であり、民族です。
働き方も、とりあえず自分が死なないように、がんばらないという選択を自然にしているのかもしれません。
ベトナム人は働かない!と最初はイライラしていましたが、日本に帰って認識が少し変わりました。
どう変わったか、どう活かしていくかというまではまだ結論が出ていませんが、これからの任期、ベトナム人のいいところを学び、豊かな人生を送れたらいいなと思います。
次回は、ベトナム人の分析。