【vol76】ドンラム村の負の現実

ベトナム首都ハノイ近郊、ドンラムで村人してます。青年海外協力隊員のminamiです。

現在、掃除機と洗濯機(脱水機)を探しています。読者の方でハノイ周辺で譲って下さる、売ってくださるという方、letteraamoroso@hotmail.comまで、連絡いただけると助かります。

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ドンラム村には、入場券を買わないと、観光客は入場できないことになっている。この入場券収入から、古民家を公開する家にフィーを払うなど、村の発展のための費用を支出する。しかし、もちろん住民に入場券を買ってもらう必要はない。そこで入場口でチェックをしなければならないのだが、そのチェックがあまりにもいい加減なのだ。きょうはよく晴れた秋の休日ということもあり、たくさんの観光客が訪れていた。しかしあまりにも数が多く、車やバイクで乗り入れてくる。しかも、一部の観光客はマナーが悪く、ゴミのポイ捨てや道路を占拠しての写真撮影は当たり前。マナーが特に悪いのが当のベトナム人だから、救えない話である。

ちょっと今日はひどいなと思ったから、チケット売場で見張っていた。

案の定、チケットオフィスの係員はゲームやおしゃべりに忙しく、自己申告でチケットを買いにきたツアー客くらいにしか対応しない。そこで、彼らに見せつけるように、観光客の1人と思われる若いベトナム人男性に声をかけた。

「チケット持ってるよね?見せてくれる?」

案の定、彼もバツが悪そうな顔をして、チケットを買いに行った。係員までバツが悪そうだったのは、悪い冗談のようだ。

私は係員に抗議した。

「どうして見張っていない?ちゃんとチェックしなきゃダメじゃないか」

それからはさすがに、私が見張っている間は、通過しようとする観光客に声をかけていた。

働いている大人が、こんなレベルなのだ。私はベトナムのことが大好きだが、一方で負の側面をひとことで表現するなら「生活保護国家」になる。橋も空港も高速道路も地下鉄も文化遺産保護も何もかも、外国の頼りがなければ何ひとつ生み出せない。しかも、せっかく完成しても、維持管理すらまともにできる大人がいない。いい年した大人が自分の仕事よりも、スマホの中のゲームのほうが大事なのだ。生活保護に甘え、言い訳だけは一流。それが、ベトナムの負の現実である。

これで、対外的には「チケット制度を導入しました!よりよい観光開発のために努力しています」などと宣伝しているのだから、あまりにもバカバカしい。

村は、間違いなく変わっている。しかも、それほど良くない方向に。

行政の怠慢により、迷惑を被る村民に心から同情するし、そのきっかけを作ってしまった支援した側の日本人の1人として、お詫びしたいと思う。この村の一番の発展阻害要因は、私が所属するドンラム村遺跡保存管理事務所を含む、行政の怠慢である。

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結婚式の前撮りカップル。車で村の中を駆け回ります。マナーが悪い。

ブログ4自称公安。現実ニート。働け。

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なーんにも働いていません。人数だけはムダにいる。横を観光客が通り過ぎます。

ブログ3

抗議すると、ようやく働き出しました。やればできる。

ブログ2

観光客に煽られるウシ。かわいそう。

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↓観光客を乗せた車にクラクションを鳴らされて、道路の端を遠慮がちに歩く村人を見ると、心がキュッと締め付けられます。大好きな村で、一番心が痛むシーンです。たくさんの方に読んでいただけると励みになるので、ぜひクリックをお願いします。

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