【Vol101】ベトナム人の不思議なところ・・いい加減なだけじゃない!?
特に決まった仕事がない日は、バイクで任地・ドンラム村を巡回します。お宅にお邪魔してお茶を飲んだりして、何気ない話から仕事のチャンスが生まれたりするので、コミュニティ開発隊員にとっては、これも大事な仕事です。
さて先日、そんな巡回中に訪れた生茶クッキーの生産者のお宅で、考えさせられるやり取りがありました。
minami「こんにちは。最近の売上はいかがですか?」
生産者「11月はよかったけど、12月はいまひとつだったよ。A商店は注文が少ないし、パッケージは高いし、もっともっと売らなきゃいけない」
minami「そうですね。がんばらなくてはなりませんね」
生産者「ミナミ、もっと高く買ってくれる商店を見つけてきてよ。○×○×○×・・(愚痴をつぶやく)」
こんなやり取りだった。ふだんは笑ってすませるのだが、その日、私はいつか言わなければならないと思っていたことを告げた。
minami「あと数カ月で、私はいなくなります。これからは、みなさんの手で、商店の開拓をしなければなりません。どうしてこれまで、私に頼りきりで、新規開拓をしてこなかったのですか?」
生産者「私、日本語話せないし・・」
minami「ベトナム人が経営する商店も、ハノイにはたくさんあるはずです。質問を変えます。みなさんはこれまで、商店の開拓をした経験がありますか?」
生産者「・・時間がないからできないよ」
いかにも、国際協力の現場っぽいエピソードではないだろうか。最初は、日本人が必死で汗をかく。その結果、一時はうまくいく。でも、帰国した後はうやむやになってしまい、永続的な支援につながらない。いま、生茶クッキーを扱ってくれている商店だって、将来的に取引がなくなってしまうことはありうる。だから、ハノイに限らず、絶えず新規開拓をしなければならないのだが・・。
農民である生産者たちにとって、簡単にできることだとは思っていない。でも私は、こう言ってほしかったのだ。
生産者「そう、商店の開拓をしなければならないんだ。まずはどういう風に始めたらいいんだろう。経験はないけど、ぜひやりたいと思ってるから、ノウハウを教えてよ!」
ベトナムで働く日本人がぶつかる壁のひとつに、「仕事のレベルが低いのにプライドが高くて、自分の非を認めない」というものがある。
感情をぶつけても仕方ないので、「私がやるんじゃなくて、みなさんがやらなければならない仕事なんだよ」と言ってその場を引き取ったが、今後、どうすればいいのかはわからない。どうしてここまで受け身なのか、自分たちで工夫しようとしないのか、わからないなら聞けばいいのにどうして聞かないのか、いくつもの??が出てくる。
ここまで来ると、通訳のいない私には限界がある。感情をぶつけずに自分の意見を伝え、相手をポジティブな方向に動かすことは、日本語でも簡単なことではないからだ。
我々日本人は、子どものころから、「言い訳するな、工夫しろ」と言われてきた。「できない」ではなく「できるように工夫する」という概念が沁みついている。そんな我々が、簡単に「できない」と発言するベトナム人に対して抱くのは、ほとんど生理的な嫌悪感に近い。もっとも、ベトナム人にとっても、我々は理解しがたい存在だと思う。だからこそ面白いし、異文化なのだが、これも私にとってはいい経験。シビアに結果を求められる立場ではないので、苦しみを楽しんでいきたいと思っている。
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